3. 製作記事 |
目次 |
3.1 コンセプト |
目次 |
ページトップ |
今回製作したミキサーは、かねてから欲かったのですが、市販されているものは
ないし、ミキサーはちょっとチャンネル数が増えるとたいへん高価になって
しまうので、自分で作ってしまおうとして作ったものです。 どうせ作るならということで、以下のような10項目を基本機能としています。
|
3.2 マザーボード |
目次 |
ページトップ |
マザーボードは、このシステムだけしか使えないものではなく、ある程度汎用性の
あるものを検討します。したがって、汎用性を保つことのできる構成で1枚の
マザーボードとし、それ以外の専用回路は別の基板に作りこむことにします。
図1:マザーボードブロック図 図2:マザーボード回路図 |
3.3 フロントパネル |
目次 |
ページトップ |
フロントパネルは図4のような概観です。左からチャンネルコントロール部、
中央にLCD表示・システムセッティング部、右にメインコントロール部という
構成になっています。 図3:フロントパネル
図7:フロントパネル回路図 |
3.4 チャンネル入力回路 |
目次 |
ページトップ |
チャンネル入力回路は、1〜16ch まで基本的にすべて同じ回路です。
マイク入力対応の1〜4chのみ、入力のゲイン調整の部分が他のchと異なります。 入力回路は、まずコンデンサカップリングしたゲインが約5倍のアンプに入ります。 ここで、ch1〜4のみ、マイクゲイン調整用のボリュームが入ります。 その後ろにトーンコントロール回路が入ります。トーンコントロールは、 オペアンプを使った一般的なトーンコントロール回路で、High/Mid/Low調整 タイプとします。通常、HighかLowしか使わないことが多いので、Midは 必要ないでしょう(今回は入れていますが)。部品が多くなり、音質が悪くなる だけで、あまり利益はないと思います。 トーンコントロール回路の後に、電子ボリュームLM1972を接続し、チャンネルの 音量制御を行ないます。LM1972はステレオ用として2ch入っていますので、16ch分として 8個使用します。ただし、ch間クロストークを稼ぎたいので、1個のLM1972に1,3ch, 2,4chと奇数ch/偶数chで分けます。また、LM1972の音量設定はシリアル通信による 設定になりますが、カスケード接続して一度に8chずつの音量設定を行なうように します。 AUX出力は、LM1972に入力する前に4系統出力します。 AUX Sendは別途AUX Send用ボリュームを接続するので、ここではトーンコントロール 回路の出力をそのままAUX Send用出力にします。 LM1972を通った後は、再度ゲイン1のアンプに入り、ここでパンポットコントロール を行ないます。パンポットは1チップに4つ分の64ポイントボリュームが入ったXicorの X9241を使います。パンポットコントロールを行なった後は、ミキサー内部の ステレオ中間バスに接続します。基本的にこのステレオ中間バスは、オペアンプの 加算器として構成される部分になるので、47KΩ〜100KΩ位で接続します。 図8:ch入力ブロック図 |
3.5 Aux Send回路 |
目次 |
ページトップ |
Aux Send回路は単純に各chのAux Send 1〜4 をボリュームを通してオペアンプの
加算回路に入力するという構成にします。LM1972は、1個で2ch分のボリュームが
入っていますが、全ch Aux出力が4系統ですので、全部で32個のLM1972を使用します。
これに合わせて、ナショナルセミコンダクタの推奨回路通りにしてしまうと、さらに
32個のオペアンプ(LF412)が必要になってしまい、回路規模が大きすぎます。
そこで、LM1972を通った後は直接オペアンプの加算回路に入れてしまいます。
こうすることによってLM1972は32個必要ですが、オペアンプは4系統分のみとなり
1ICに2ch入っているLF412なら2個ですみます。 LM1972のコントロールは、8個ずつグループ化してカスケード接続し、4系統の コントロールラインにします。 chコントロール回路とAux Sendコントロール回路を図9に示します。 図9:chコントロールおよびAux Send 回路 |
3.6 メイン出力回路 |
目次 |
ページトップ |
メイン出力回路は、各チャンネルのステレオ出力、Aux Return を加算して
最終的なステレオ出力を生成する回路です。
LM1972は、50KΩ程度のインピーダンスを持っているので、Aux Return入力を
そのままLM1972を通して音量調整しますその後、オペアンプLF412で増幅し、
内部のステレオバスに接続します 内部のステレオバスは各チャンネル(16ch分)とAux Return を 加算して増幅します。ステレオバスには22KΩで接続していますが、もう少し 大きな値の方がチャンネルセパレーションが良くなると思われます。 加算回路の後は、メイン出力とヘッドフォンそれぞれ独立にLM1972で音量 調整できるようにしています。なお、ヘッドフォンアンプは簡易的にLF412を そのまま使っています(これでも十分な音質だと思います)。 図10:メインコントロール回路 |
3.7 レベルメータおよび電源回路 |
目次 |
ページトップ |
レベルメータは、東芝の10ポイントLEDレベルメータ用IC TA7612 を1chあたり
2個使用し、そのうち16個分を使って、16連LEDレベルメータとしました。
機能的には、TA7612 1個で10連LEDメータで十分かと思います。 TA7612は単電源動作しますが、アナログ信号回路はすべて±電源で動作します。 そこで、レベルメータへの信号入力を整流してTA7612に入力し、グランドを 切り離すことでまともなレベル表示ができるようにします。 電源回路はアナログ±6V、デジタル+5V、バックアップ電池、レベルメータ用 +9Vの回路です(回路図では+9Vの回路が記述されていません)。特に音関係を 扱う回路ですので、DC-DCコンバータは使用せず、トランス〜整流回路〜 3端子レギュレータによるドロップアウト型の安定化電源とします。 図11:レベルメータ回路 図12:電源回路 |