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★★k-mix1601のハードウェア★★
− 解説記事内容 −
1. 概要
2. 回路図・基板パターン図
3. 製作記事
3.1 コンセプト
3.2 マザーボード
3.3 フロントパネル
3.4 チャンネルコントロールボード
3.5 AUX出力ボード
3.6 メイン出力ボード
3.7 電源ボード
1.概要
**** 全体構成 ****
k-mix1601は、大きく分けて、デジタルコントロール部とアナログ
コントロール部、および電源部に別れています。
全体構成(Block Diagram)は以下のようになります。
(回路図および基板パターン図はこのページの最後に示してあります。)
図1:Kmix-1601のブロックダイアグラム
**** デジタルコントロール部 ****
デジタルコントロール部は、フロントパネルの制御、各ボリュームへの
シリアル出力、PCとの通信等を行う部分です。
- (1) Mother Board
- CPUにH8/3048Fを使い、外部メモリ拡張として、256KByte SRAMおよび
512KByte Flash Memory を追加しています。さらにXilinx CPLDを
バスコントローラにして、ローカルバスを外部に引き出せるように
しています。
シリアル通信は外部に16505をつけて、2ch分増設しているため、
ホストPCとの通信、K-mix1601のカスケード接続、フロントパネルからの
ミキシングコンソール接続、MIDI接続に対応しています。
- (2) Front Panel
- フロントパネルは、チャンネル制御としてボリューム9種(ch volume,
AUX Send1〜4, high, mid, low, pan)、ch切り換えSW、AUX Send SWの
入力、システムコントロール用の8個のタクトSW、メインコントロール用
として10個のボリューム(AUX Return 1〜4 Stereo, Main Volume)、
表示用として、20文字×4行キャラクタLCD、2つの2桁7セグメントLEDを
備えています。
- (3) Volume制御
- volume制御は、86個のLM1972と16個のX9241をコントロールするための
シリアル通信コントローラです。通信用のシフトレジスタと、通信制御
用のFPGA(XC95108)を使用しています。
**** アナログコントロール部 ****
アナログコントロール部はいわゆるミキシングブロックで、アンプ回路や
トーンコントロール回路等から構成されます。
- (1) ch制御回路
- ch制御は、入力アンプ、トーンコントロール回路(High, Mid, Low)、
出力回路より構成されます。入力回路は、J-FETオペアンプ LF412を使用して
います。このオペアンプは、低電圧電源でも動作し、個人的にはかなりいい音
ではないかと思います。この入力回路で基本的なゲインをかせぐように
しています。なお、ch1〜4までは、ゲインコントロールとしてボリュームを
設置し、マイク入力に対応させています。
トーンコントロール回路は同じくLF412を使用した、
アクティブトーンコントロール回路ですが、ボリュームコントロールとして
1chipに4ch/32pointのポテンションメータを組み込み、シリアルにて制御
可能なXicor製のX9241を使用しています。フィルタ定数に関しては、
回路を試作して、音を聞いてみて適当に決めたものなので、標準的な
値ではないかもしれません。
出力回路はLF412のゲイン1の反転バッファとなっています。LM1972と
組み合わせる場合、音量変化時のポップ音をなくすため、
入力インピーダンスの高いFETタイプのオペアンプが必要とのことで、
ナショセミ推奨のLF412をそのまま使用しました。LM1972の直後に入る
オペアンプはあまりゲインを持たせない方がポップ音が小さくなる
のでそこでゲインをかせがないようにしてあります。
- (2) Aux Send回路
- AUX出力回路はLM1972の嵐です。各chのAux Send 出力を全てLM1972で
コントロールしているため、全部で64個のLM1972が並んでいます。全ての
出力をLF412の加算回路であわせこんで、4系統のAux Sendに出力しています。
- (3) Main制御
- Main制御回路は4系統のステレオAux Return、メイン出力、ヘッドフォン出力、
レベルメータ用の出力回路から構成されています。それぞれLM1972とLF412を
組み合わせた回路となっています。ここではゲインをあまり多くとらないように
してあります。また、ヘッドフォン出力は、LF412の出力を容量の大きな
電解コンデンサでカップリングした簡易ヘッドフォンアンプです。レベルメータ
用の出力回路は、後でレベルメータの光り方を調整できるように独立させた
出力アンプとなっています。
- (4) レベルメータ回路
- レベルメータ回路は東芝のLEDレベルメータ用IC TA7612を4個(左右ch2個ずつ)
使用して、15点LEDメータとしています。LEDは角型でバーグラフのように
するのではなく、丸型のものを使用してちょっと違った雰囲気を出しています。
個人的には丸型のLEDをならべた方がきれいに見えます。
なお、レベルメータは0〜+6Vの方電源で動作するため、アンプ出力を
ダイオードによるブリッジ回路を通して両波整流しています。
**** 電源部 ****
電源部は、デジタル制御用の5V、アナログコントロール用の±6Vを生成する
回路です。音を重視してみようということで、トランス→両波整流→3端子
レギュレータによるドロップアウト電源としています。
- (1) ±6V生成
- アナログ回路用の電源で、トランスで9Vに落とし、両波整流回路を通して、
3端子レギュレータ:7806/7906を使った電源回路です。
- (2) +5V生成
- デジタルコントロール部の電源で、通常の5V電源となりますが、
±6V電源と同様にドロップアウト型にしています。
2.回路図・基板パターン図
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回路図はQt-bschを使って作成しました。また、基板パターン図はPCBEを使用して
作成したものです。右クリックしてダウンロードしてください。
ただし、以下のリストの回路図、パターン図だけでは不足しています。
長年にわたって製作してきたので、PCを換えた時に紛失してしまったものも
幾つかあります。
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